「店長経験10年です。スタッフの管理や売上向上に貢献してきました」
かつての僕が書いた自己PRです。結果は、書類選考で15社連続のお見送り。自分の10年間を否定されたようで、絶望の淵にいました。
しかし、あるエージェントに「あなたのPRは『業務日誌』。企業が欲しいのは『採用提案書』ですよ」と指摘され、目が覚めたのです。
この記事では、「業務日誌」しか書けなかった僕が、これからお伝えする方法で自己PRを“魔改造”し、書類通過率を3倍以上(18%→62%)に引き上げた全手順を公開します。
もう、あなたの貴重な経験を「伝わらない自己満」で終わらせるのは、今日でやめにしましょう。
筆者の転職実績
- 応募社数: 32社
- 書類通過率: 改善前 18% → 改善後 62%
- 最終内定: 3社(うち1社は現職の大手小売本部)
- 年収変化: 420万 → 550万円
なぜあなたの店長自己PRは読まれないのか?―残酷なNG例
- 多くの店長がやりがちな「ただの感想文」自己PRの典型例
- なぜその自己PRが「秒でゴミ箱行き」になるのか
- 「業務日誌」と「提案書」の決定的な違い
多くの店長が、僕と同じ過ちを犯します。それが「頑張ったことの羅列」。例えば、こんな自己PRです。
【改善前】僕が実際に書いて落とされたNG例
店長として、私が特に力を入れて取り組んできたことは、売上アップとスタッフのモチベーション維持です。具体的には、季節ごとのおすすめメニューの開発や、特別イベントの企画を通じて、客単価の増加に努めました。また、スタッフの働きやすさにも注力しました。シフト管理の工夫や、スタッフの意見を積極的に取り入れることで、離職率を削減し、チーム全体の士気を高めることができました。

「何を、どうして、どうなった」を数字で書くのニャ
“業務日誌”を、内定が決まる“提案書”へ――店長向け自己PR作成3ステップ
- 自己PRを「提案書」に変えるための具体的な3手順
- 企業の「本当の課題」を10分で見抜くリサーチ術
- POSデータがなくても「数字」をひねり出す裏ワザ
では、どうすれば「提案書」に変わるのか?やるべきことは3つだけです。
「クレーム対応」を「対人折衝能力」、「シフト作成」を「リソース最適化」のように、現場の言葉をビジネス用語に“翻訳”します。
ここが勝負の分かれ目です。企業の口コミサイト(OpenWorkなど)を使い、相手の「課題」をリサーチします。
- 会社検索 →「退職検討理由」を読む: 直近1〜2年の口コミに絞り、ネガティブな意見を眺める。
- カテゴリ分解: 口コミを「教育体制」「評価制度」「現場と本社の断絶」などのカテゴリに分類する。
- 仮説立案: 「この会社は、若手の育成と評価制度に明確な課題を抱えているな」という仮説を立てる。
「頑張った」ではなく「何を、どうして、どうなった」を数字で示します。POSデータがなくても大丈夫です。
- 手書きの日報・週報 → 前月比でのクレーム件数、客単価の変化
- スタッフのシフト表 → 繁忙期の最適人員数、人件費率の改善
- 自分の記憶 → 新人研修の期間、独り立ちまでの日数短縮
【スキル翻訳50語リスト】あなたの経験を価値ある言葉へ
①売上・利益管理スキル (10)
1. 売上を上げた → 収益機会の創出、売上目標達成能力
2. キャンペーンを企画した → 販売戦略の企画・立案
3. 売上データを分析した → 定量的データ分析能力
4. 目標を設定した → KGI/KPI設定・管理能力
5. 予算を守った → コスト管理能力、予算実績管理
6. 利益を出した → PL(損益計算書)管理スキル、収益性改善
7. 値引き・ロスを減らした → 利益率改善、在庫最適化
8. 客単価を上げた → アップセル・クロスセル提案力
9. 新商品を売った → 新規商材の市場導入
10. 売上を報告した → KPI管理、データ分析に基づくレポーティング能力
② 人材管理・育成スキル (11)
11. シフトを組んだ → 人的リソース最適化、需要予測に基づく人員配置
12. 新人を教えた → OJT(実地研修)設計・実行能力
13. マニュアルを作った → 業務標準化、ナレッジマネジメント
14. スタッフをまとめた → チームビルディング、リーダーシップ
15. スタッフを評価した → 人事評価・フィードバックスキル
16. 面接・採用をした → 採用実務経験、人材要件定義
17. やる気を出させた → モチベーション管理、エンゲージメント向上
18. チームの雰囲気を良くした → 組織活性化、心理的安全性への配慮
19. スタッフの揉め事を仲裁した → コンフリクトマネジメント
20. スタッフが辞めないようにした → 離職率改善、リテンションマネジメント
21. 面談をした → 1on1ミーティングによる目標設定・進捗管理
③ 店舗運営・オペレーションスキル (11)
22. 店を回した → 店舗オペレーション管理、業務効率化
23. 在庫を管理した → 在庫管理・棚卸しによる資産管理能力
24. 発注をした → 需要予測、発注・購買管理
25. VMD・レイアウトを考えた → VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)戦略
26. 備品を管理した → 施設・設備管理、コスト削減
27. 現金・売上金を管理した → 現金管理、出納業務
28. 安全・衛生を管理した → リスク管理、コンプライアンス遵守
29. 防犯対策をした → セキュリティ管理、危機管理能力
30. 保健所の監査に対応した → 行政対応スキル
31. 開店・閉店作業 → 標準業務プロセス(SOP)の策定・実行
32. 新店の立ち上げを手伝った → 新規プロジェクトの立ち上げ経験
④ 顧客対応スキル (9)
33. 接客した → 対人コミュニケーション能力、顧客対応スキル
34. クレームに対応した → 顧客折衝能力、問題解決能力
35. 厄介な客に対応した → 高度な対人折衝能力、ストレス耐性
36. 常連さんを作った → 顧客関係管理(CRM)、リピート率向上
37. お得意様を接客した → 優良顧客との関係構築、LTV(顧客生涯価値)向上
38. お客様の意見を聞いた → 顧客ニーズのヒアリングと分析
39. アンケートを実施した → 顧客満足度(CS)調査と分析
40. 予約を管理した → 顧客情報管理
41. 口コミサイトの返信をした → オンラインでの評判管理
⑤ マーケティング・販促スキル (9)
42. POPを作った → 店頭販促(インストアプロモーション)企画
43. チラシを配った → 販売促進(セールスプロモーション)活動
44. SNSを更新した → ソーシャルメディアマーケティング(SMM)運用
45. イベントを企画した → イベント企画・運営、集客施策
46. 競合店を調べた → 市場調査、競合分析
47. 近隣に挨拶回りした → 地域密着型マーケティング
48. メディアの取材を受けた → 広報・PR対応スキル
49. キャンペーンの結果をまとめた → 施策の効果測定と分析
50. ポイントカードを勧めた → 顧客ロイヤルティプログラムの運用



口コミで企業の弱みを調べて自分をアピールするのニャ
飲食店長・小売店長向け業種別・自己PRのヒント5選
この3ステップで作った「提案書」としての自己PR例文です。全て同じフォーマットで記述しているので、あなたの経験に合わせてカスタマイズしてください。
【不動産管理業】
- 先方の課題
若手の定着率が低く、教育体制が形骸化している。 - 自分の強み
エンゲージメント向上、人材育成の仕組み化 - 具体施策
担当店舗で、新人研修のOJT化と月1回の1on1面談を導入。個々のスキルと希望を尊重したシフトを作成。 - 指標と結果
半年でスタッフの離職率を30%改善。店舗がエリアの教育拠点となり、自身の成功体験をマニュアル化。 - 再現性
この人材育成の仕組みは、複数拠点を管理する上でも応用可能であり、貴社の課題解決に直結すると考えます。
【小売業界(スーパー)】
- 先方の課題
他社との価格競争が激しく、利益率が低下している。 - 自分の強み
データ分析に基づく利益率改善、コスト管理能力 - 具体施策
POSデータと天候・曜日・周辺イベント情報を掛け合わせ、需要予測の精度を向上。発注単位を細分化し、売れ残りそうな商品のための「限定惣菜メニュー」を開発・展開しました。 - 指標と結果
施策実行後、店舗の廃棄ロスを前年比で25%削減することに成功。これは年間で約300万円のコスト削減に相当します。 - 再現性
このデータに基づいた発注・在庫最適化のプロセスは、他の店舗でも応用可能であり、全社的な利益率改善に貢献できると考えます。
【児童福祉業界(保育園など)】
- 先方の課題
職員間の連携が不足し、業務効率が悪い。年長者の経験が活かされていない。 - 自分の強み
チームビルディング、多様な人材のマネジメント - 具体施策
年長者と若手職員のペア制度を導入し、指導役・相談役としての役割を明確化。また、情報共有ツール(共有デジタル日誌)を導入し、週1回の合同ミーティングを定例化しました。 - 指標と結果
職員間の情報伝達ミスが半減し、結果として月の平均残業時間を15%削減。職員アンケートでの「連携満足度」も40%向上しました。 - 再現性
このコミュニケーション改善の仕組みは、職員の定着率向上と教育コストの削減にも繋がるため、他の施設でも展開可能だと考えます。
【医療業界(病院経営管理)】
- 先方の課題
人件費の管理が曖昧で、繁忙期の人員不足と閑散期の過剰人員が問題。 - 自分の強み
人的リソースの最適化、KPI設定と進捗管理 - 具体施策
過去の曜日・時間帯別の来院数データを分析し、繫閑差をパターン化。その上で、短時間勤務のパートスタッフを新たに採用し、繫忙の時間帯に集中投入する柔軟なシフトモデルを構築しました。 - 指標と結果
患者の待ち時間を延ばすことなく、人件費を前年比で5%削減することに成功。スタッフの無駄な待機時間も減り、業務満足度が向上しました。 - 再現性
この繁閑差に対応するシフトモデルの考え方は、他の診療科や部門においても応用でき、法人全体の経営効率化に貢献できると確信しています。
【エネルギー業界(コールセンター)】
- 先方の課題
クレーム対応の属人化と、オペレーターの定着率の低さ。 - 自分の強み
クレーム対応の標準化、OJT設計・実行力 - 具体施策
過去のクレーム内容を分析・分類し、対応マニュアルを全面的に刷新。週1回のロールプレイング研修を義務化し、ベテランの対応ノウハウを言語化・共有する仕組みを作りました。 - 指標と結果
オペレーターの対応品質が平準化され、二次クレーム(再度の問い合わせ)発生率が20%低下。顧客満足度調査では10pt向上し、オペレーターの定着率も改善しました。 - 再現性
この研修とマニュアル化のプロセスは、新人オペレーターの即戦力化と教育期間の短縮に直結するため、センター全体のサービス品質と生産性向上に貢献できます。
あなたの最強の自己PRを完成させる、最後の武器
ここまでお疲れ様でした。
…と、その前に一つだけ。僕がなぜ書類選考で15社も落ち続けたか、分かりますか?
それは、「自分だけで書こうとしていたから」です。
この記事を読んで「分かった気」になって、また一人で書き始めると、気づけば元の「業務日誌」に逆戻りしてしまいます。僕がそうでした。
正直に言って、この記事で解説した“提案書”の視点なくして自己PRを書くのは“時間の無駄”です。なぜなら、僕が落ち続けた15社分の失敗パターンと、そこから生まれた改善ノウハウが、この記事には詰まっているからです。あなたの貴重な時間を、僕と同じ失敗で浪費しないでください。
では、どうすればいいか? 答えはシンプルです。この記事で作り上げたあなたの「提案書」を、プロの「参謀」に見てもらうことです。
僕が15社連続で落ち続けた後、最終的に3社の内定を勝ち取れたのは、信頼できる転職エージェントという「参謀」がいたからです。彼らは、僕の自己PRをさらに磨き上げ、僕の価値を正しく評価してくれる企業へと繋いでくれました。
数あるエージェントの中でも、特に40代の店長経験者にとって求人数が多く、サポートが手厚いのがリクルートエージェントです。
まずはこの記事を「作戦ノート」としてあなたの自己PRの骨子を組み立て、その熱意が冷めないうちにプロとの面談を予約してください。それが、ゾンビ生活から脱出するための、最も確実で、最も効果的な一歩になります。



まずは走る。走りながら考えるのニャ
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