この記事の著者
元・飲食店店長。
リクルートエージェント
とdoda
を併用し、異業種への転職を成功。現在は自身の経験を基に、サービス業からのキャリアチェンジを目指す方向けに情報発信を行う。転職相談実績50名以上。
「手取り25万円。このままずっと、自分の価値はこれだけなんだろうか…」。かつての私のように、今の待遇に漠然とした不安を抱えていませんか?転職エージェントとの初回面談は、その不安を具体的な「希望」に変える絶好の機会です。この記事では、面談開始15分で、あなたの“本当の市場価値=年収レンジ”をプロに提示させるための、具体的な台本と戦略を解説します。
なぜ初回面談のゴール設定が重要なのか?
この台本を使えば、初回15分で“仮の年収レンジ3点”の提示まで到達する可能性が高まります。
多くの人がやりがちな失敗は、「何か良いところがあれば…」と受け身で面談に臨み、具体的な情報を得られずに終わることです。多忙なキャリアアドバイザーは、目的意識が明確な候補者を優先します。最初にゴールを提示することで、あなたは「優先すべき候補者」になるのです。
【コピペOK】面談ゴール宣言
「本日のゴールは、私の経歴に対して、下限・中央値・上限の年収レンジを仮で結構ですので、口頭でご提示いただくことです。可能であれば、その提示の根拠も1〜2点教えていただけますと幸いです。」
面談で提示する「3つの数字」の準備
ゴールを達成するため、事前に3つの数字だけ準備しておきましょう。
- あなたの「現在の理論年収」
(基本給+固定残業代)×12ヶ月+(基本給×賞与月数)。理論年収の計算方法詳細はこちら - 最低希望年収と可変条件
「年収は最低420万円。次点で夜勤無し/日曜固定休を優先します」のように、金銭と非金銭の優先順位を明確に。 - 実績KPI(1個でOK)
例:「新人離職率を36%→21%に改善(-15pt / 12ヶ月 / 対象48名)」のように、数値・期間・母数を具体的に。
【コピペOK】“仮レンジ3点”を初回15分で引き出す面談台本
以下の台本を使い、あなたが会話の主導権を握りましょう。
1. 自己紹介とゴール設定(開始〜5分)
「〇〇と申します。現在、飲食店で副店長をしており、理論年収は約400万円です。(ここで上記の「ゴール宣言」を伝える)」
2. 3つの数字の提示(5〜10分)
「現在の希望は、最低年収420万円、働き方としては夜勤無しを希望しております。実績としては、直近1年で新人離職率を15pt改善した経験がございます。こうした実績に基づき、私の市場価値(年収レンジ)についてご見解を伺えますでしょうか。」
3. レンジ提示の要求と、はぐらかし対策(10〜15分)
あなた:「ありがとうございます。もし可能でしたら、仮のレンジで構いませんので、私の経験に合致しそうな求人の年収レンジについて、下限・中央値・上限の3点をご教示いただけますか?」
【担当者が渋った場合の切り返し3選】
- →「求人を見てみないと何とも…」
「承知いたしました。では本日時点の暫定値で結構ですので、参考までにお聞かせください。後日、具体的な求人を拝見する際の判断軸とさせていただきたいです。」 - →「幅が広すぎて一概には…」
「承知いたしました。では例えば、本日ご提示可能な非公開求人の中で、最も私の希望に近い案件を1つだけ挙げるとすれば、どのような条件になりますでしょうか?」 - →「後日メールでご連絡します」
「ありがとうございます。もし可能でしたら、本日ご提示が難しい理由(例:専門部署への確認が必要など)も併せてお伺いできますか?今後の参考にさせていただきたく存じます。」
【補強質問】提示された年収レンジの根拠を問う
レンジが提示されたら、その信頼性を測るため、以下の質問で根拠を確認しましょう。
「ありがとうございます。大変参考になります。ちなみに、その年収レンジは、主にどの情報を根拠に算出されていますか?(①御社の過去の支援実績の中央値、②業界全体の平均値、③直近で募集中の特定求人のレンジ、など)」
| 指標 | 参照元 | 備考 |
|---|---|---|
| 下限 | 同職種×同地域の第25パーセンタイル値 | 残業20h/月などの標準モデルで算出 |
| 中央値 | 第50パーセンタイル値 | 現職スキルと完全に適合した場合の目安 |
| 上限 | 第75パーセンタイル値+交渉余地 | ストックオプション等は除外した現実的な上限 |
※提示される年収は、今後の選考や市況によって変動する可能性があります。
よくある質問(FAQ)
まとめ:逆転の一手は、今日の準備から
「手取り25万円」という現実。それは、あなたがこれまで真面目に、懸命に働いてきた結果だとしても、あなたの本当の市場価値を反映した数字ではないかもしれません。
転職活動の成否を分けるのは、学歴や経歴の華やかさ以上に、「準備の質」です。これまでの「とりあえず話を聞いてみる」という受け身の姿勢を捨て、面談の主導権をあなたが握るのです。
この記事で紹介した「ゴール設定」と「3つの数字」、そして「面談台本」は、そのための具体的な武器です。これらを準備することで、あなたはもう「評価されるのを待つ側」ではありません。エージェントと共に、自らのキャリアを設計する「主体的なパートナー」へと変わります。
この記事を閉じたら、まずやることは一つです。
「3つの数字」をスマホのメモ帳に書き出し、
転職エージェントとの無料面談を、1件だけ予約してみる。
今日のその15分ほどの準備が、あなたのこれからの10年の働き方、そして収入を決定づけるかもしれません。
手取り25万円からの逆転劇。その脚本を書き、主役を演じるのは、他の誰でもない、準備を終えたあなた自身です。
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