二次面接は「何を話すか」と同じくらい「どう話すか」が命。内容が同じでも、言い方ひとつで“自慢”にも“協働できる人”にも化けます。本稿は現場部長クラスを想定し、「この人と働きたい」を引き出す3つの口癖 × ミニ台本を用意。加えて、NG→OK言い換え辞典/10分練習メニュー/想定質問へのカウンター/オンライン面接のコツ/当日チェックリストまで、これ1本で準備完了の実戦セットです。
なぜ二次面接は「言い方」で決まるのか
一次は「経歴の棚卸し」。二次は実戦投入の可否を見ています。具体的には──
- 協働性:手柄を独占せず、チームで回せる人か
- 再現性:方法論を別店舗/別案件へ展開できるか
- 当事者化:入社後の前提で会話を前へ進める人か
この3点は、言い回しと会話運びで強烈に伝わります。だからこそ、以下の「3フレーズ」が効きます。

二次面接では経験の再現性を見られるのニャ
口癖①「〜のおかげもありまして」
なぜ効くか
- 協働性を示す:感謝→分担→具体策の順で、一緒に戦える人に見える
- 再現性を示す:施策を名詞化(導線/仕込み/段取り設計)しておくと、他店舗でもコピー可能な手順として伝わる
- “自慢臭”を消臭: first-person だけで語らない
使い分けの型(置換OK)
- 「〈現場/仕入先/他部署〉の協力もありまして、私は〈設計/標準化/指標管理〉に専念しました。」
- 「成功要因は人(協力)と段取り(私)と外部要因(需要増)の三つです。」
注意
謙虚さだけで終わらせない。必ず自分の役割を名詞で明示(例:設計/標準化/指標管理)。



やっぱり謙虚で協調性のある人と働きたいニャ
口癖②「〜に貢献できます(前提:◯◯が整えば)」
なぜ効くか
- 言い切る勇気+条件で敬意=“頼れるが無謀ではない”印象
- すぐ会話が前に進む(「その前提なら…」と面接官が乗ってくる)
- リスク説明を先出しすることで信頼残高が増える
言い切り強度の調整
- 弱:「〜に貢献できると考えています」
- 中:「〜に貢献できます(前提:◯◯が整えば)」
- 強:「〜に貢献します(実行条件:◯◯/◯◯)」
前提の例
- データ:「ピーク帯の入店数・提供時間を見える化できれば」
- 体制:「配置表を日次で回せるチーム体制が整えば」
- 権限:「POP/導線の小改修を現場判断で進められれば」
口癖③「長期で見ると3年で◯◯、入口として1年目は◯◯」
なぜ効くか
- 3年像(北極星)→1年目の小さな約束で、腰が据わった人に見える
- 志望動機と転職理由が一本線でつながる



協調性・自信・具体性が大事なんだね。
業種別・差し替え例
- 店長→SV:「3年で多店舗の改善標準化を担う/1年目は導線×配置×手順のテンプレ化」
- 店長→CS:「3年でVOC(お客様の声)を仕組みに反映/1年目はクレーム3類型化→再発防止」
- 店長→法人営業:「3年で既存深耕×単価アップ/1年目は商談手順と顧客区分の標準化」
ありがち失敗→その場で直す一言処方
- ①を連発して自分が薄まる →
**「私の役割は◯◯、チームは◯◯」**を必ず添える。 - ②が弱腰に聞こえる(全部が「〜と思います」) →
**「前提:◯◯が整えば、◯◯に貢献できます」**に切り替え。 - ③が抽象で終わる(“成長したい”だけ) →
**「3年像+1年目タスク」**の二段構えに言い換え。
そのまま使える:ミニ台本セット(差し替えガイド付き)
成功要因の説明(口癖①活用)
「現場の協力もありまして、私は〈導線/仕込み量/オーダー導線〉の見直しに絞りました。具体的には〈ピーク前倒し仕込み/並び導線の整理/ピックアップ棚の番号表示〉です。私の役割は設計と標準化、チームは運用徹底でした。」
置換ヒント:〈要素〉に自分の店で実際に直した物理的なものを。導線/棚/表示/仕込み/POPなど“触れる名詞”が強い。
「当社で何ができる?」(口癖②活用)
「ピーク帯の入店数・提供時間が可視化できれば、初期90日で待ち時間2〜3分短縮に貢献できます。前職も『配置表→手順化→週次レビュー』で同様の改善を続けました。前提に違いがあれば現場基準で優先順位を調整します。認識は近いでしょうか。」
置換ヒント:“見える化の前提”を必ず一つ。Googleスプレッドシート/日報/POSログなど。
転職理由×志望動機(口癖③活用)
「長期で見ると、3年で複数店舗の標準化を担いたいです。入口の1年目は、配属店舗で配置表と導線のテンプレ化に着手し、週次運用が自走する土台を作ります。御社の〈固有名詞A・B・C〉は、その実装を最短距離で再現できる環境だと考えています。」
置換ヒント(固有名詞A・B・C)
- 例:モバイル注文が主導線/テイクアウト比率が高い/店舗裁量がある
- 例:ABテスト文化/データダッシュボード/新人研修のフレーム
想定質問カウンター(そのまま読んでOK)



想定質問は準備しておけば武器になるね。
NG→OK言い換え辞典(即席で置換)
- 「忙しい中で頑張りました」
→ 「ピーク30日で〈指標〉をA→B(n=◯◯)」 - 「マニュアル化しました」
→ 「写真手順+チェックリストで新人〈◯日短縮〉」 - 「人がいなくて大変でした」
→ 「営業を止めず、採用/配置/1on1で欠員週6→2回(30日)」
10分練習メニュー(スマホだけで可)
- 録音(3分):上のOK台本を自分の言葉で各30秒。
- チェック(4分):
- 「えー/そのー」の回数をカウント→半減を目標
- 同じ文の重複を削除
- 一文7〜12語で区切る
- 再録音(3分):結果→根拠→役割の順で言い切る。
声のコツ:語頭を強く/最初の5秒ゆっくり/語尾は下げる。
オンライン(二次)面接の話し方・見せ方
- 視線: カメラの2cm下に付箋「目」を貼り、相手を見る錯覚を作る
- 間: 重要ワード前で0.5秒置く(ネット遅延対策+重み付け)
- 資料: 画面共有は1枚1メッセージ。数字は太字/赤は使わない(環境依存で見づらい)
- 環境: マイクは距離30cm/ポップノイズ対策。逆光NG、胸から上が映る距離
ケース別・差し替え例(店長→異職種)
- 3年像:改善の標準化×横展開
- 1年目:配置表・導線・手順のテンプレ化→週次レビュー運用
- 成果の言い方:「回転率1.25→1.35(90日/ランチ帯)、新人立ち上がり21→14日」
- 3年像:VOC→施策→再発防止のループ確立
- 1年目:クレーム3類型化→主因手順の写真化→訓練
- 成果の言い方:「遅延クレーム15→2件(90日)、CS3.5→4.2」
- 3年像:既存深耕×単価向上の仕組み化
- 1年目:接点数×提案単価の設計(週次レビュー)
- 成果の言い方:「客単価+80円(3ヶ月/n=2.1万会計)、月次115%」
逆質問
※ハードル低く、でも“仲間目線”で聞けるものだけに厳選(コピペ可)
- 「初月〜90日で、私にまず期待される“日々の動き”は何でしょうか?」
→ “KPI”が難しければ行動で聞く。ToDo化しやすい。 - 「成果が出ている店舗で“やっていることの共通点”があれば教えてください。」
→ まねる起点を掴む。会社の勝ちパターンを言語化できる。 - 「配属前に読んでおくと仕事が進む資料や、覚えておくべき基本手順はありますか?」
→ “自分で調べる人”の印象。学習の起点を獲得。
避ける質問:福利厚生・年収だけ/HPに載っている研修の有無
理由:「自分で調べない人」に見えるため。
当日持ち歩きチェックリスト(印刷推奨)
- 自己紹介1分:30-20-10(経歴→強み→貢献)を暗唱
- 成果の言い方:**A→B(期間/n)**を3本
- 3フレーズ:①おかげもありまして/②貢献できます(前提)/③長期3年+1年目
- 逆質問3つ:行動・共通点・準備物
- 声と姿勢:語頭強く/5秒ゆっくり/語尾下げ/背もたれ使わない
- 退出一言:「今日で入社後の優先順位が明確になりました。ありがとうございました。」
- お礼メール(テンプレ下書き保存)
お礼メール(2種・そのまま送れる)
短文版(すぐ送る用)
件名:本日の面接のお礼(〈氏名〉)
本文:
本日はお時間をいただきありがとうございました。〈◯◯の課題〉についてのお話が、前職の〈□□(A→B/期間)〉と直結しており、入社後は初月から〈◯◯〉に注力すべきだと再認識いたしました。まずは御礼まで。
〈氏名/電話/メール〉
長文版(要点整理)
件名:本日の面接のお礼(〈氏名〉)
本文:
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。〈◯◯の課題〉についてのご説明が、前職での〈□□(A→B/期間)〉と直結しており、**初月:〈◯◯〉/90日:〈◯◯〉**を優先いたします。要点のみにて失礼いたしますが、まずは御礼申し上げます。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
〈署名〉
まとめ:3フレーズで“審査”を“共感”へ
- 「〜のおかげもありまして」で協働性を見せる
- 「(前提が整えば)〜に貢献できます」で自信と敬意を両立
- 「長期3年+入口1年目」で設計された意思を示す
次の面接で、まずはどれか1つだけでも使ってください。空気が変わります。言い方を整える=一緒に働くイメージを渡すこと。ここまで準備できれば、もう十分戦えます。



この人と一緒に働きたいと思ってもらうこと!健闘を祈るニャ
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