元ゾンビ店長が教える「すごい経歴がなくても面接官に刺さる」3ステップ
はじめに:「立派な動機」なんて、なくてもいい
転職サイトの入力フォーム。「志望動機」の欄を前に、手が止まる――。 痛いほど、その気持ちが分かります。
私もそうでした。「なぜこの会社か?」と聞かれても、本音は「今のゾンビみたいな働き方から、とにかく逃げ出したい」だけ。そんなこと、書けるわけがありません。
でも、ある時気づいたんです。 志望動機は「ゼロから立派な作文を書く」ことじゃない。 企業と自分の「接点を見つけるパズル」なのだと。
この記事では、かつての私のように志望動機が書けずに悩んでいるあなたが、簡単な3つのステップで、あなただけの志望動機を組み立てられるようになる方法をお伝えします。
ステップ1:企業の価値観を“盗む”
まずは、応募する企業のホームページを開いて、企業の「ピース」を探しに行きましょう。難しく考える必要はありません。
「企業情報」や「社長メッセージ」のページを見てみましょう。「地域社会に貢献する」「お客様の毎日を豊かにする」といった言葉の中に、少しでも「いいな」と思える部分があれば、それが一つ目のピースです。
「事業内容」や「サービス」のページを見て、今のあなたにできそうなことを探します。例えば、私の場合「スーパーの運営サポート」という仕事内容を見て、「店長として現場を運営してきた経験が、少しは役に立つかもしれない」と考えました。これが二つ目のピースです。
ステップ2:自分の経験を“武器化”する
次に、あなた自身の中から「ピース」を探します。あなたの経験は、必ず企業の求めるピースと重なります。
これは、このブログの核となる考え方です。例えば、私が「雑用」だと思っていた店舗運営も、見方を変えれば「顧客満足度を向上させるスキル」という立派な武器になります。
ここがパズルの核心です。 例えば、「お客様第一という理念(企業のピース)」と「顧客満足度を向上させるスキル(自分のピース)」が合わされば、「お客様に寄り添うという貴社の姿勢を、私は〇〇というスキルで実現できます」という、強力なアピールになります。
ステップ3:文章を磨き上げるプロのコツ
ステップ1と2で見つけた材料を元に、文章を組み立てていきましょう。ただ埋めるだけでなく、採用担当者の視点を意識した、ちょっとしたコツで文章は劇的に変わります。
【志望動機テンプレート】
私が貴社を志望する理由は、(ステップ1で見つけた企業の理念・価値観) という点に深く共感したからです。 私は前職で、(ステップ2で見つけた自分の強み) を培ってきました。 この強みを活かし、貴社の (ステップ1で見つけた企業の事業内容) という領域で貢献したいと考えております。
【記入例:元ゾンビ店長の場合】
私が貴社を志望する理由は、「お客様の食生活を豊かにする」という理念に深く共感したからです。私はカラオケ店長として9年間、お客様アンケートを分析・改善し、顧客満足度でエリア1位を達成した経験があります。この「お客様の声を形にする力」を活かし、貴社の「運営サポート」として現場の店長たちを支え、全社の顧客満足度向上に貢献したいと考えております。
【プロの文章術】
- 接続詞を減らす:
「そして」「また」などを減らし、短い文で繋ぐと、熱意やテンポが生まれます。 - 一文を50字以内に:
Webでも書類でも、短い文章は読みやすいです。一文が長くなりがちな人は、意識して句点を打ってみましょう。
【実用ワンポイント】
文字数は200〜300字が理想です。また、履歴書にはこの文字数で書き、面接ではそれを1分程度で話せるように要約しておくと、一貫性が出て説得力が増します。
まとめ:その志望動機は、あなたの「証明」になる
最後に、大切なことをまとめます。
- ステップ1: 企業の価値観を“盗む”
- ステップ2: 自分の経験を“武器化”する
- ステップ3: プロの文章術を意識して、テンプレートに当てはめる
この3ステップで書いた志望動機は、もはや“逃げ”の証拠ではありません。あなたの経験が、市場で通用するスキルであることの何よりの証明です。
今日、求人票を一枚開いて、ステップ1を実践してみてください。それが、あなたのキャリアを取り戻す最初の一歩になります。
コメント